
オンライン上のチャートサービス「TradingView」はメールアドレスさえあれば誰でも無料で登録できるため、MetaTraderのような口座開設などの手間は一切ありません。
手軽に使い始められる無料版の他にも、更に高機能なアップグレードプランも提供されており、自身の用途と予算に応じて3段階のうちのどれかを選べます。
3つの有料版の違いについては「TradingView有料版で自在なチャート分析を!プランの種類と料金」をお読みいただくとして、この記事では無料版と有料版の決定的な違いを分かりやすくまとめました。
チャートの複数表示
実際使うにあたって感じる最も大きな違いといえば、チャートの複数表示が出来るか出来ないかという点。
無料版で表示できるのは1つのチャートのみです。異なる銘柄を同時監視したり、マルチタイムフレーム分析に取り組む場合は、複数チャートの表示に対応するアップグレードプランが必要になります。
プランのグレードが上がるごとに表示できるチャートの数は倍になり、TradingViewの公式がお勧めしているPRO+プランでは4つを同時に表示できます。
- 無料プラン:1つ
- PRO:2つ
- PRO+:4つ
- PREMIUM:8つ
表示できるインジケーターの数
表示できるインジケーターの数にも大きな違いがあります。無料版ではたった3つしか同時に表示出来ないため、期間の異なる移動平均線を3本出してしまえば、もう限界へ達してしまいます。
TradingViewを本格的なチャート分析ツールとして使い込むなら、PRO+もしくはPREMIUMがおすすめです。
- 無料プラン:3つ
- PRO:5つ
- PRO+:10つ
- PREMUUM:25つ
保存できるチャートレイアウトの数
MetaTraderの「テンプレート」にあたる機能が「チャートレイアウト」です。
チャートへ表示する銘柄やインジケーターなどをまとめて「レイアウト」として登録すれば、次回からレイアウト名をクリックするだけで瞬時に呼び出せるため、うまく活用すればトレードの効率を劇的に向上させます。
無料プランでは、保存出来るチャートレイアウトの数は1つに限られています。対し、最上級のPREMIUMでは無制限なので、8チャート同時表示と組み合わせれば最強のトレード環境を構築できます。
- 無料プラン:1つ
- PRO:5つ
- PRO+:10つ
- PREMUUM:無制限
時間足のカスタマイズ
公式サイトの案内ページには記載されていないようですが、無料版では時間足のカスタマイズが出来ないという点も見逃してはいけません。
私は中期トレンドを掴むために8時間足を多用しますが、標準では備わっていないため追加しなくてはなりません。しかし、無料版ではこれが出来ないので、時間足への拘りが強い方にとっては重要なポイントかと思います。
サーバーアラートの数
TradingViewには「アラート」という素晴らしい機能が備わっており、エントリーまたはエグジットの合図となり得るシグナルをいち早く掴むことが出来ます。
「ある価格を突破したら…」というシンプルなものから、「20期間の移動平均線を価格が上抜いたら…」や「RSIがレベル20を下抜いたら…」などインジケーターを用いたものまで、かなり細かい設定が可能で、それらの条件にマッチすればメールやSMS経由で直ちに通知が届きます。
ただ、無料版では1つのアラートしか設定できないため、その恩恵にあやかる機会は少ないでしょう。アップグレードプランでは上限が大幅に緩和されるため、本格的に使うとなれば検討したいところです。
- 無料プラン:1つ
- PRO:10つ
- PRO+:30つ
- PREMUUM:100つ
出来高プロファイル(価格帯別出来高)
TradingViewの目玉とも言える強力なインジケーター「出来高プロファイル」は、アップグレードプラン限定の機能です。
出来高と聞けば、おそらく大半の方はローソク足の下に表示される縦軸を思い浮かべるでしょう。しかし、「出来高プロファイル」では、価格帯別すなわち横軸の出来高を表示出来るので、過去に売買が集中した価格帯が一目瞭然となります。
また、買いと売りの比率を確認する機能までもが備わっており、うまく活用すればレジスタンスとサポートのエリアを読み取ることさえ出来ます。
価格帯も自由自在に設定出来る上に、1日ごとや特定期間のみの価格帯別出来高を調べられるので、他のツールには見られない応用性を備えています。